呉クリニック

甲状腺について

バセドウ病について

甲状腺は、のどぼとけの下にあり、蝶が羽を広げた形をしています。正常ではめんたいこの様な硬さで、厚みが数ミリほどなので触れてもはっきりわかりません。

正常な甲状腺の位置

「バセドウ病」は過剰に分泌された甲状腺ホルモンにより代謝が異常に活発になる、つまり身体が1日中マラソンをしている様な状態になる病気です。動悸が1日中続き、暑がりで汗をかき、疲れやすく、1~2ヶ月で数kgの体重減少を起こすことがあります。癌や糖尿病で体重が減少したのかと思う人も少なくありません。これらの症状と同時に、喉仏(のどぼとけ)の下にある甲状腺が全体的に腫れてきます。
(眼球突出はバセドウ病の特徴的な症状ですが、すべての患者さんにみられるわけではなく、30%の人にのみみられる症状です)

原因

甲状腺ホルモンは、脳の下垂体から出る甲状腺刺激ホルモンというホルモンで調節されます。甲状腺刺激ホルモンが甲状腺の細胞に付着すると甲状腺ホルモンが生成・分泌され、はずれると生成されません。
バセドウ病は、甲状腺を勝手に刺激する物質が体内にできてしまうために起こります。この物質ができる原因は、食事(特に海藻類)、ストレスなどと言われていますが、特定の原因はよく分かっていません。いずれにしても、この甲状腺を勝手に刺激する物質が絶えず甲状腺を刺激し続けるため、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうわけです。従って血液検査でこの物質を測定すればバセドウ病と診断することができます。

治療方法

バセドウ病の根本的に治すことはできませんが、以下の3つの方法で甲状腺ホルモンの生成を抑え治療します。

ホルモンの量を減らすことによってホルモンをコントロールし、原因である甲状腺を勝手に刺激する物質が消滅するまで待ちます。

手術

大きな甲状腺を手術で摘出し、一部(5~6g)を残します。85%薬の服用を中止することが出来ます。15%は甲状腺ホルモンの分泌が不十分となる甲状腺機能低下症になるか、又は再発する可能性があります。
※手術は当院長の呉吉煥が執刀いたします。

アイソトープ

肥大した甲状腺を放射線で破壊して小さくします。痛みはありませんが、甲状腺ホルモンの分泌が不十分となる甲状腺機能低下症の確率が高くなるため、一生薬を服用することが必要です。

治療後の経過

一長一短がありますが、甲状腺ホルモンが正常になれば日常生活・結婚・妊娠・スポーツなど、社会生活は全く問題なく送ることができます。治療期間は最低でも1~2年はかかりますが、決して悲観的になる必要はありません。

ページトップへ